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ちょっとだけ自慢したい気分! F1SCENEのヒストリー
F1SCENEの歴史はTeam ZEROBORDER、そして大袈裟でなく僕の歴史の一部でもある。
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2004年にパリの6区、Rue de Seineのオフィスを拠点にして始まったF1SCENE、
そのコンセプトは「写真だけが真実を語る」というシンプルだが写真の力を要求されるテーマでもあった。
そして写真の持つ魅力を大切にかつ効果的に生かすために、大判サイズでハードカバー、
年間4冊というスタイルでスタートをした。
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こんな豪華な本を年間4冊も出すなんて...
無謀かとも思えたが、ともかく僕はやってみたかった。
誰も考えないようなことかもしれないし、出版の世界では非常識だったかもしれない。
それでも諦めきれずに、何とか体制を整え本の制作、出版が始まった。
そして無我夢中で走り出した僕を止めることは、もう誰にもできなかった(笑)
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フランス、ドイツを始めヨーロッパを中心に、北米、そして同時に日本でも販売を開始した。
F1SCENEは世界をターゲットにF1グランプリの持つ魅力をアートとして捉え表現し、
F1の世界だけではなくデザインやアートの世界でも次第に評価されるようになっていった。
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当時はホンダやブリヂストンを始め多くの日本企業がF1の世界に関わっていた。
いい時代だったと言ってしまえばそれで終わりだが、誰もがF1に夢を持って向き合っている、
そんな時代だった。
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やがて日本とF1の関係が次第に希薄になり、撤退する企業が増え、
もはや日本はF1にとって何が何でも欠かせない、そう言われた時代とは変わってしまっていた。
もちろんF1にも責任はある。自分達の最大の魅力を失いかけていることに気づかず、
誤った方向に進んでいたのも事実だし、ファンよりもスポンサーに向き合っていても
誰も不思議に思っていなかった。
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誰がF1にパワーの規制やスピードの抑制を望むだろうか?
エンジン回転数の制限?誰もが自分の耳を疑った。
イヤープラグはF1には欠かせないアイテムだったし、
シルエットも含め迫力という最大の魅力を捨ててしまったF1には、
もはや惹かれるものは無いとさえ感じたほどだ。
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しかし必死の形相でコーナーを攻めるドライバーや油にまみれて徹夜で作業をして、
明らかに寝不足で、無精ヒゲを伸ばしていても晴れやかな顔でいるメカニック達を見ていると、
30年前の光景が僕の脳裏に蘇ってくる。
それは僕が初めて行った1987年の開幕戦のブラジルGPのピットの光景だ。
どんなにハイテク化が進もうと、実際に作業をするのは人であり機械ではない。
あの頃と何も変わっていない光景がそこにはあった。
もう一度F1を見直してみるか...そんなきっかけを与えてくれたのはマシンではなく、
ドライバーでありメカニック達であった。
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究極のレースだから、Formula Oneだから、だからこそ拘る。
ワンメイクのレースでドライバーの技量を競うのもいいだろう、
でも僕は大人の男が世界中から集まり、必死になって1/1000秒を削ることに全てを賭けている、
そして勝てば子供のように無邪気に喜び、時には悔しさに涙を流す、
そんなグランプリの世界がたまらなく好きだ。
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今年、F1SCENEは12年目のシーズンを迎えている。
僕の想いの全てを込めたこの「本」を続けて来られたのは多くの友人やパートナーのおかげである。
今、そのF1SCENEの歴史ともいえるバックナンバーをオンラインストアで販売することにした。
2011年からはイヤーブックとして出しているが、かつて年間4冊をハードカバーで出していた、
その挑戦の記録を一人でも多くの方に見てもらいたと思うからだ。
自分で言うのも何だが、スラリと並んだバックナンバーを見ていると、
誇らしく、少しだけ自慢したい気分になった(笑)
もしも気になる一冊があれば是非取り寄せて手にとってほしいと思う。
決して後悔はさせない!
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最後に地道で大変な編集作業をこなしてくれた相方に感謝!
As always, thank you for your suport!

F1SCENE ONLINE STOREこちらから。
by MICROPARIS | 2016-09-07 00:00 | F1
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