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1994年5月1日
イタリア、イモラ。
何故か僕がホテルで機材一式を盗まれた、いい思い出の少ない場所だ。
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そしてやはりいつになっても特別な日に違いはない。
あの日、あの時、僕はその場所にいた...

どうしても忌まわしい週末だったと、その一言で片付けるわけにはいかない。
それから10年後に写真集を出し、サンパウロへ墓参もした。
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でも今でも不思議だ。
あのセナが、そんなはずはない...

彼とファインダー越しに対峙した一枚がある。
不思議と周りには僕しかカメラマンがおらず、
セッション後にピットから出てきた彼と偶然出くわしたのだが、
彼は僕のカメラから目を逸らそうとはしない...
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ならばこちらも逸らすわけにはいかない。
だが悲しいかな当時は36カットのフィルム時代...
僕はシャッターを押し続け、やがてワインダーの巻き戻しが始まった。
その瞬間、セナがニヤリと悪ガキのような笑顔で僕の前から去った...
その瞬間、何故か負けたと思った。
でもどうしてか悔しさはなく、僕もファインダーから目を外し笑っていた。
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56歳の彼はどんなだろうか?ふと想像をする。
腹も出て頭も薄くなり...(笑)
現実の僕は歳を重ねて老いていくが、イメージの中の彼はそのまま。
なんか狡い気もする。そして不思議な気分だ。

Adeus Ayrton!
by MICROPARIS | 2016-05-01 03:59 | F1
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