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そもそもの僕にとっての旅とは...今週は中国GP! (Part 2)
5泊6日は余裕の日程なんて書いたけど、それは前回の過激な旅があったからで、
結局、今回もサーキットとホテル、空港、以上!そんな面白さには欠ける旅となってしまった。
僕の思う旅の要素が欠落した今回の上海行きは僕にとっては旅じゃない。
もちろん旅の醍醐味のハプニングは出足のフライトで既に経験しているが(笑)
でもこれじゃあ日本で鈴鹿や富士に行くのと同じで、仕事で撮影に来てるだけ…
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これってどうなんだろう?上海から羽田までの2時間少々のフライトの機内で考えた。
僕がF1を撮影する大きな理由の一つは僕の「一番が好き」、そしてもう一つは「世界を転戦できる」から。
だから前回とか今回のような余裕のない旅は本来の僕のスタイルではない。
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そもそも、最初に僕がヨーロッパに住んだ経緯はというと…
1987年からF1に通いだして数年が過ぎた頃だった。
イギリス人の著名なジャーナリストにこんなことを言われた。
メディアのラウンジで休憩している時だった、
仕事で顔見知りになっていたイギリス人ジャーナリストのM氏が、「君は日本から毎戦通ってるのかい?」と聞いてきた。
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僕はそうだと答えると、次に彼はこんなことを言った。
「君はサーキットとホテル、そして空港しか見てないだろう?」
この一言は当時の僕には結構ショッキングだったが、確かに言われてみれば当時は全16戦、
鈴鹿以外は全てフライアウェイで日本から通っていた。
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ちょっと悔しかったけど、ぐうの音も出ないとはまさにこのことだった。
確かに水曜日の夕方に現地入りして木曜日から日曜日はサーキットにいる、
そして月曜日の早朝には現地を出る…
続けて彼が「そんなんじゃF1なんて判らないよ」そして「もったいない」と言った。
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その瞬間、僕の中で何かがはじけた。
そうだヨーロッパに住もう!F1はヨーロッパのものだから、
F1を理解するにはヨーロッパの文化に触れなくては...嘘のようは始まり方だが本当の話(笑)
そして僕はヨーロッパの地図を広げ、各地で行われるGPをチェックした。
スイスかパリか?ヨーロッパの中心で何処へでも車で行くならば...
僕の選択肢はどう考えてもパリだった。(理由はそのうちに...)
そして、パリをベースとしてF1を追いかける決断をしアパート探しを始めた。
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パリの不動産屋を何軒も回り、また良さげな場所に「Louer 」の看板があると電話番号を控えていった。
そして市内に程近く凱旋門も見えるラ・デフォンスに最初のアパルトマンを探しもとめた。
しかし、フリーのカメラマンに保証人もなく部屋を貸してくれる大家は、当たり前だがそうはいない。
何軒目かの不動産屋で何の写真を撮ってるんだ?と聞かれ、F1の写真を撮ってると言って、
自分の写真集を見せた。もちろんそこには僕の名前があるので、彼は一瞬驚いたような表情をした後に、
「分かった、俺に任せろ!」といきなり笑顔になった。
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どうするんだ?不安で一杯の僕をよそに彼は電話をかけた。
そしてしばらく話をしているとやがて電話を切り、
「オーケーだよ!ムッシュ!」と言ってきた。オーケー?何が?
「俺の知り合いがアパートを持っていて、お前の話をしたら保証人無しでも貸してくれるとさ」
そしてこう続けた。「ただし、お前の写真集を俺とオーナーにプレゼントすることが条件だぞ!」
この時に文化の違いというか、日本の感覚ではありえない事を身を以て体験したのだ。
しかし写真集を担保に保証人なしでアパートを借りるって…今思っても凄すぎる。
フランスはアートに寛大だなんてよく聞くけど、本当だった。
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そしてよく話を聞けば、不動産屋もオーナーもF1の大ファンで、
今でこそルノーしか関わりがないように見えるが、
当時はプロストもいたし、フランスもF1の中心にいた。
単純に運が良かっただけかもしれない。
それでも僕はヨーロッパへの第一歩を踏み出した...
by MICROPARIS | 2016-04-19 13:13 | F1 | Comments(2)
Commented by 名神のシューマッハ at 2016-04-19 21:07 x
強行軍お疲れさまでした。
色々と制約がありますが、ヨーロッパに戻られる計画立案中でしょうか?
F1がヨーロッパのものだから・・・仰る通りだと思います。
鈴鹿で観戦も熱狂が凄くて楽しいのですが、一度でもヨーロッパで生観戦経験するとこれこそがF1グランプリなのだと気づかされます。
巨大なモーターホーム、沢山の人種、各チームの緊張感 etc 決してフライアウェーでは味わうことのできない雰囲気が漂っています。
その雰囲気を日本に居ながらにして少しでも感じることが出来るのはGP後にアップされるF1 SCENEだけだといっても過言ではないと僕は思っています。
しかしその作品の副作用でヨーロッパに行きたい病が一年を通して身体と心を蝕んでいます・・・責任を取ってください!(笑)
F1 & F1 SCENEに乾杯!
Commented by MICROPARIS at 2016-04-19 23:17
F1はヨーロッパで開催されるべきものだと思います。
フライアウェイで世界を転戦するのもいいけれど、
やはりヨーロッパのグランプリが一番しっくりきますよね。

ニュースや報道としてF1SCENEは機能しておりません(笑)
ただ、他にはないアートとしてのF1がそこにあるのです。
ご理解と共感、ありがとうございます。

いつかヨーロッパのパドックでお会いしたいと思います!
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